不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

天然不思議アルバム

 Julian Casablancas『Phrazes For The Young』を聴いた。The Strokesのフロントマン、ジュリアン・カサブランカスのソロアルバム。何でソロを出す事になったのかはよく知らないが、ザ・ストロークスでの音楽活動はプレッシャーが大きく、作業も綿密かつ緊迫しているだろうから、ちょっと解放されたかったのだろう。
 いきなり奇怪な音で始まり、訝しく思ったところにストロークス節とジュリアンのしゃがれた声が入ってくる。ソロでしかできんような広がった楽曲ばかりで、過剰、複雑な構成も含めて楽しませてくれる。
 ストロークスというバンドは、ロックンロール・リバイバルの旗手と言われたように、昔ながらのロックンロールの要素を持ちつつ、誰も聴いた事のない音を生み出してきた。はっきり言って、それはとても「変」な音で、どのバンドも真似る事はできない唯一無二の音だった。そんな「変」な部分だけを抽出して、時に圧縮、時に増幅させ、ゴージャスにしたり、カントリー調にしたり、チープにしたり、様々なアプローチで音と遊んでいるのがこのソロ作である。
 こう書くと、実験作のように思えてくるが、妙ちきりんでありながらストロークス節のリフやメロディもあって、なかなか聴きやすくておもしろい。ソロ作でこんなもん出すあたり、ジュリアンという人はかなり天然な人なんじゃないかと思う。
 英語はようわからんし、輸入版には歌詞カード入っていなかったので、何を歌っているのかはわからん。それはちょっともったいないので、やっぱり英語の勉強はせなあかんなぁと思ったのであった。
 さて、そろそろストロークス4枚目はどうですかね、ジュリアンさん?

Phrazes for the Young

Phrazes for the Young