OASIS『Dig Out Your Soul』を聴く。『MUSICA』で大酷評されていたのでドキドキしたが、まぁオアシスと村上春樹はいつだって大絶賛と大批判が出てくるものだ。んで、聴いてみたら、やっぱりカッコよくて安心した。安心ってのもちょっと違うか。
1曲目からヘヴィなリフで嬉しくなってしまった。なんだかな、と思う曲もあるのだが、全体的にグルーヴィでいい。曲の端々に若手や流行りを意識する姿勢が見えて、俺はそれはいらないんじゃないかと思うのだが、その一方で、まるで挑戦的な新人バンドの2枚目だか3枚目のアルバムのようで、ウキウキしてしまう。
オアシスは世界一の王者バンドでありながら、初々しいロック小僧の集まりなのだ。
本作で一番よかったのは、実はボーナストラックである12曲目“I Belive In All”だったりする。ロックンロール! でも、もう少し演奏が跳ねていれば最高だったんだけど。そう、本作では演奏がいまいちやぼったく聴こえたのだが、何でだろう。専門的は事はわかんないけど。
これが新生なのか革命なのか第2の出発なのかは、わからん。ファースト、セカンドの呪縛から解き放たれるなんて書いてあるレビューもあるが、それもどうかね。
俺がわかったのは、オアシスが相変わらずかっこよくて、ロックバンドなんだという馬鹿みたいな事だけだ。リアム・ギャラガーが『rock’in on』のインタビューで、ザック脱退についてこう語っていた。
オアシスのメンバーは、早朝だろうが夜中だろうが100%コミットできる奴じゃないと務まらないからな。このバンドは俺達にとって趣味なんかじゃなく、人生そのものなわけだし。
バンドを組んでいれば誰もが言いそうなセリフだが、これがオアシスのリアム・ギャラガーが発していると考えると、シビれるものがある。
94年にデビューし伝説を作ってからというもの、様々なバンドが「オアシスはもう古い」「終わった」と挑んでいった。しかし誰もオアシスの高みにはたどり着かなかった。
オアシスだけが、いまだにブレずに生き残っている。*1
ロック小僧として、100%オアシスとして。
それがたまらない。

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- 発売日: 2008/10/01
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