不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

ありがとう、お疲れ様でした

 約10年間、通い続けた洋食屋が閉店した。看板に貼られた紙の文字からは、残念な思いがにじみ出ていた。ドアにまだ「臨時休業」の貼り紙が残っているところから、本当に急に決まった事なのだろうと推測できた。事故か病気か。閉店は淋しいが、それ以上に理由が気になる。
 他の町に姉妹店があるそうだが、俺にとってはここだけが、この店だ。
 学生時代、バイト先が近かったのもあって、よく行って、よく食べた。社会人になってからも、ちょくちょく行っては「忙しい?」「忙しいっす」「がんばんな〜」と他愛ない話をしていた。
 俺はこの店がある限り、他の町には引っ越さないと言っていた。まさかこんなに早くその時が来るなんて。でも、ここ最近の出来事を振り返ると、そういうタイミングというか、縁が絡まったりほつれたりしているような気もする。
 抜群にんまかった。あんなにんまいハンバーグはそうそうない。あれがもう食べられないのか。こんな淋しい気持ち、いつ以来だろう。
 お決まりな気持ちだけど、もう一度、食べたかったなぁ。


追記;
 その後集めた情報によると「空調の故障→長めのお盆休みに→休み中、マスターの気力や体力の衰え、後継の問題などを考える→厳しい舵取りに疲れた→よし、やめよう」となったそうだ。確かな情報筋なので、間違いないだろう。事故、病気ではないので、ホッとした。がんばってきたけど、ひょんな休みで緊張の糸が切れたのだろうな。
 改めて、お疲れさまでした。