エレファントカシマシLive at SHIBUYA-AX。
ライブはなま物とはよく言われるが、エレカシのライブほど毎回違う顔を見せるライブはないと思う。ひとえに宮本浩次の狂気故だろう。毎回、未完成。だからこそ面白い。エレカシは、生粋のライブバンドだ。レコードよりも、ライブの方がずっといい。むしろ、ライブの良さが作品に反映されきっていないのが歯がゆいほどだ。
SEもなく登場する四人。いきなり新曲からの開始は自信の現われか。“笑顔の未来へ”という爽やかなタイトルも、エレカシだとどこか哀愁が漂う。振り返れば、なかなかベストな選曲。そこに違和感なく新曲が入っている。新曲はどれも、かなりの名曲揃い。攻撃的ではなく、心を掴むような歌詞と、前に行こうとするメロディ。思わず笑顔。これは新譜が楽しみだ。
変な笑い方をする女性がいて、宮本先生の機嫌を若干損ねたが、ま、概ねいい気分だったみたいだ。
先生の絶唱に(前日の方が喉の調子は良かったみたいだが)、ガッツンガッツンの演奏。歳喰えば喰うほどしみてくる楽曲。
堪能。明日への活力。エビリバディ、イエー。
《ああ街の空晴れて ああ街の空晴れて
必ずや叶うだろう 夢とやら 必ずや届くだろう そうああ
ああ夏の思い出は何処へやら 山越えて谷超えて そうああ
ああ街の空は晴れて》(“東京の空”)
《空から急におちてきた 流れ星のやうな人生
何でぇ、行きあたりばったりだね びっくりすることばかり多かった
いはば夢から夢へと綱わたり いつでも明日を追ひかけ回し
辿り着けない夜空の向かう いつの間にか随分遠くまで来た》
(“流れ星のやうな人生”)
set list
01.笑顔の未来へ
02.この世は最高!
03.クレッシェンド・デミネンド −陽気なる逃亡者たる君へ−
04.さよならパーティー
05.甘き絶望
06.面影
07.覚醒(オマエに言った)
08.誰かのささやき
09.悲しみの果て
10.東京の空
11.コール アンド レスポンス
12.男は行く
13.流れ星のやうな人生
en,1
01.傷だらけの夜明け
02.今宵の月のように
03.新曲(「桜の花舞い上がる」)
en,2
01.ガストロンジャー
02.俺たちの明日