不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

失いつつある言葉たち

 荒川洋治『夜のある町で』読了。『忘れられる過去』よりも、もっと「直」で「俗」。特に「俗」が強くて、くすっと笑える。何だよ、「デートで女性がスカートじゃないとガッカリ」って。「俗」以外も、勿論いい。明るく繊細に、でも「言葉」に対する強い想いと信念。

 漫然と、読者桟敷にいると作品はその半分も見えてこない。作者の側に立たされると責任を感じ作品の内側からその作品を見るようになる。そこから「読む」「書く」のからみあいも感じとれる。人は言葉に対し、たった一人で、そこまでいかなくてはならないのだと思う。
(中略)
 詩は読者にも作者にも見えない。でも自分の周囲を、ほうり出し、たった一人になってみれば見えてくるものがあるのだ。詩は、続く。一人で続く。

 この本と『忘れられる過去』は古本屋で買った。最新刊『黙読の山』は、知り合いから譲り受けた。人を回って自分の手元に。やっぱり俺も、そのうち誰かの手に行くようにした方がいいのかな。

夜のある町で

夜のある町で