不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

簡単便利

 初めて「日本の古本屋」を使ってみた。
 ある本をamazonで頼んだ。3〜5週間かかるというので待っていたが、5週間経ったらまた5週間待てと言う。俺は初めてだったが、こういう事はままある事らしい。やれやれ、と思っている時に、たまたまその本の出版社の目録を目にしたら、既に品切れ絶版リストの中に入っているではないか。ほほう、あるのかamazon、絶版本も。
 いつもはないならないで、古本屋や古本市で気長に探すのだが、今回はもう手に入った気持ちになっていたので、何となくネット古書店を使ってみたのだ。「日本の古本屋」は日垣隆の『どっからでもかかってこい!』に対応が悪いだの何だのメタメタに書かれていたのでちょっとびびっていたが、別に普通の対応だった。当たり前か……なくはないだろうが、悪い店が多いわけじゃない。
 それにしても、便利だ。実際に手に取れないし中身を読めないとはいえ、クリックだけで欲しい本が手に入る。うーむ、ITだ。
 だけどあまり使わないだろうな。単なる自己満足でも、棚から本を探すほうが好きだ。
 先日、時代・世代についての本を書いている人と話した。そこで、簡単に欲しいものが手に入るという事の影響について話し合った。「これが欲しい」と痛烈に思って、探して探して、探し回った挙句に手に入ったものは、自分自身の中に取り込もうとする気持ちが強いはずだ。簡単に手に入ってしまうから、それは単なる物になってしまうんじゃないか。
 と(別に特別でも独特でもない)考えを述べたら、「とても20代と話している気分じゃない」と言われた。そうかなぁ。便利は不便で、自由は不自由、という考えはよくあると思うのだが。まぁこの話以前に音楽の話をして、「エルビスいいですよね」と言ったせいもあるかもしれん。
 ちなみに買った本は青山南ホテル・カリフォルニア以後』。坪内祐三さんがオススメしていたので是非とも読んでみたかった。