不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

旅に出たい


 『ホリディ』を見に行く。監督、脚本はナンシー・マイヤーズ。出演、キャメロン・ディアスケイト・ウィンスレットジュード・ロウジャック・ブラック。基本的に「恋愛」映画は見に行かないのだが、キャメロン・ディアスが出ているし、何といっても“あの”ジャック・ブラックがロマンチック・コメディに出るのだ! これは見に行かねば。
 付き合っていた男に裏切られた女性、アマンダとアイリスがホームエクスチェンジ(自宅交換)して、2週間の休暇を楽しむ。その間に出会った男性と……。
 ベタで王道の恋愛映画。ラストはハッピーエンドなのだが、現実的な問題は何一つ解決されていなくて、強引に終わらせたと言っていい。でも、「それでもいい」と思わせる力が映画にはあった。映画に変にリアリティを持たせるのではなく、あくまでファンタジー(空想)としての恋愛映画として作ったからだろう。それは、まるで一昔前のハリウッド映画のようだった。
 そう、この映画はどこか“古臭さ”を感じたのだ。そして同時に、痛烈な現在のハリウッド批判でもあり、それらはイーライ・ウォラック演じる老脚本家のセリフの端々に顕著に現れている。もしかしたら、監督が一番言いたかったのはこの部分じゃなかったんだろうか。個人的にも、脇役の彼の話が印象に残っている。
 二人の女性を、見事に対比させている。一方が“肉体”からの恋愛なら、一方は“精神”からの恋愛。一方が豪邸なら、一方が小さなコテージ。一方がイケメン*1なら、一方は……。対比させながらストーリーは進んでいく、その辺の演出がうまい。
 恋愛要素に関しては……ノーコメントで。逃げです、ははは。
 相変わらずキャメロン・ディアスは銀幕上では最高にカワイイ。ジュード・ロウの気障男振りもいいし(あまり好きじゃないけど)、ケイト・ウィンスレットのやぼったさもよし。何と言ってもジャック・ブラックの普通演技がよかった! いつ叫びだすのかと思ったが、意外や普通人も味があるじゃないか。ステキ。
 久し振りに満足いく映画だった。頻繁だと飽きるだろうが、たまにならこういう映画もいいもんだ。

*1:死語だよな。