不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

ずっと誰かと一緒にいた気がする

 ラーメンズ第16回本公演『TEXT』を見に行く。ラーメンズ本公演は絶対に見たいのだが、今回は特にハコがグローブ座なのでその思いが強かった。唯一見に行きたいと思うハコがグローブ座である。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの『テンペスト』以来なので、6年振り。やっぱりいいハコだよなぁ。
 タイトル通り、アクションやパフォーマンスではなく、言葉を使って次々と“遊んでいく”。言葉の曖昧さや正確さ、重さや軽さ、浅さや深さ、そういった言葉の「本質」とも言えるものが響いてくる。
 ここ数公演は小林賢太郎の“色”が表面に出ていたが、今回は「ザ・ラーメンズ」であり、「ラーメンズの集大成」「THE VERY BEST OF RAHMENS」とも言える公演だった。
 それと同時に、物足りなさもあった。ラーメンズをはじめ小林賢太郎脚本の公演は、「笑い」ではなく「驚き」を生むコントが一つはあるが、今回はなかったのだ。定番ネタ、というのは乱暴だけど、そう感じるネタが多かった。
 腹を抱えて笑った。大笑いをした。エンディングで二人はぐったりしていて、どれだけ力を使って演じたのかがわかって、また笑った。カーテンコールの拍手の渦は、嘘じゃない。やるつもりではなかっただろうエンディングトークも嬉しかった。繰り返される拍手に、純粋に喜んでいるのがわかって嬉しかった。
 だけど、帰り道、一緒に行った友人と、
「なんか、解散ライブみたいだったね」
 という感想を言い合ったのは何故なんだろう。
 多分、俺達がラーメンズを見過ぎていて、期待し過ぎているんだろう。
 きっとそうなんだろう。