日垣隆『どっからでもかかってこい！――売文生活日記』

　このタイトルや、帯の《思考停止のオマエらとはとことん闘うよ！》というコピーからケンカ上等な内容なのかと思うとその通りだったりする。本人もＨＰで《唯一の日記であり、戦闘記録（笑）です。》と書いている。ここまで抱腹絶倒、痛快無比な日記はそうないだろう。笑えて、しかもケンカ必勝法にもなっている。
　ケンカ上等とはいえ、決して無軌道に牙を剥いているわけじゃない。我々が日常で、理不尽に感じたりむっとしてしまうけれど、反論するのは面倒だしエネルギーが要るから「まぁいいか」と妥協するところで、日垣隆は「ちょっと待て、それは違う！」と言う。そこであえて言うことで「薄っぺらな関係」ではない関係が築けるのだ。
　かなり面白かった。この人の著作はほぼ読んでいるし、メールマガジンも購読（有料、年間一万円）しているが、彼の文章を読むと、何故か自分ももっと沢山本を読まないと、何かしないと、という思いにさせられる。誰かに何かしら行動をさせようとする文章って凄いね。

どっからでもかかって来い!―売文生活日記