ある人から「もう着ないからやるよ」ともらった黒いコートはやけに長かった、着てみると裾がふくらはぎにまで達するほどだった。会社で上司から「長いな、それ」とわざわざ言われた、まさにロングコート、実はこういうのが前から欲しかった。着心地はいいし、シルエットはキレイで質もよい、古いものだから少し黒がくすんでいるがそれも味だとすっかり気に入ってしまった。下手したらマントを羽織っているかのようにも見えるけどそれはそれでグレゴリ青山が描いていた生田耕作みたいでいいなとも思ったが、あれは「マントが似合いそう」として描かれただけで実際は羽織っていないから、私一人だけが怪しいという話になってしまった。もう一着くらい自分で買おうかなとすら思ったが、好きだからとコートばかりが増えていくのは困るのでとりあえずこの冬はこの一着を楽しむ事にしよう。