不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

最近読んだ小説

 フェルディナント・フォン・シーラッハ『カールの降誕祭』(東京創元社、酒寄進一訳)。クリスマスの贈り物にしたら、ドン引きされるか、大喜びされるかはっきり分かれるだろう、絵含めてビターな味わいの三つの短篇を収めた一冊。シーラッハはやっぱり短篇がいいな。といってもまだ長篇一作だけど。次も楽しみ。

カールの降誕祭

カールの降誕祭

 ピエール・ルメートル『天国でまた会おう』(早川書房。四六判で。これまでのようなミステリーではなく、あえて言えばサスペンス(謳い文句にある文芸作品というのは、何か違う気がするんだけど)。どん底にいる元兵士の逆襲、とあっさり言うには苦く切ない物語。著者は意図していなかったそうだが、戦争の皮肉と批判になっている。ゴンクール賞受賞作で悪くないけど、言うほどよくもないような……。
天国でまた会おう

天国でまた会おう