不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

最近読んだ本二冊

 中原昌也『死んでも何も残さない』(新潮社)。基本的に自伝は苦手なのだが、この人のなら大丈夫だろうと読んでみたらやっぱりおもしろかった。後半はもはや自伝ではない気もするが。音楽と映画の話をしている時は本当に楽しそうで、小説の時は苦しそうで、社会に対しては怒ってばかりで、最終的には大声で「どうでもいい」を叫ぶ。それでもいまもまだ書いているんだよな、この人。そういう意味では根っからの小説家なのかもしれない。本人は「だからそれは違うんだ」と言いそうだけど。

死んでも何も残さない―中原昌也自伝

死んでも何も残さない―中原昌也自伝

 大森望『狂乱西葛西日記20世紀remix』(本の雑誌社。分厚いのでダーッと読んでみた。注釈が充実していてもわからんネタが多数あり。文章から見ると、この人って躁病なのかなと思ってしまう。前半がエヴァ旧劇場版公開あたりで、当時は作品は見ていたけどその周辺はよく知らなかったから、結構な人達が見て喧々諤々やっていたんだなと初めて知った。まさか20年経ってもまだシリーズが終わっていないなんて、大森望含めた当時の方々は思うまい。そういや、「ガンダムはSFか」論争なるものがあったと書いてあったが、「エヴァはSFか」論争ってなかったのかな。
狂乱西葛西日記20世紀remix

狂乱西葛西日記20世紀remix