不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

読んだ本から

 小田嶋隆『ポエムに万歳!』(新潮社)。小田嶋さんの書くものは、俺はTwitterやネットのコラムはそれほどピンと来ないのだが、本になると俄然おもしろく感じる。言葉の量の違いだろうか。たぶんそうだろう。140字で語れるほど簡単な事は世の中にそんなにないし、ネットで延々と書かれるのも冗長的だし。いや、長さは変わらないか。ともあれ、中だるみをしている個所もあったけど、打率の高いコラムだった。ポエムか、言い得て妙だね。斎藤環の「ヤンキー」と同じように、流行って、いいように使われそうでもあるけれど。

ポエムに万歳!

ポエムに万歳!

 黒岩比佐子『忘れえぬ声を聴く』(幻戯書房。単行本未収録エッセイ集。これまでの自身の著作の隙間を埋める、というか繋ぐような内容のものが多い。このタイトルも、なるほどと思った。おもしろいなぁ。つくづく早逝が惜しまれる。
忘れえぬ声を聴く

忘れえぬ声を聴く

 トム・マッカーシー『もう一度』(新潮社、栩木玲子訳)。中盤まで結構おもしろく読んでいたのだが、本編とも言える「再演」が始まったあたりから、何故かちょっと飽きてしまった。これは小説よりも、演劇にした方がおもしろい気がする。それこそ、過去を「再演」するという意味で。
もう一度 (新潮クレスト・ブックス)

もう一度 (新潮クレスト・ブックス)