不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

臆病の海

 The Dead Weather『Sea of Cowards』を聞く。期間限定イベント的バンドのはずだったが、本体のThe White Stripesが活動停止中なのもあり、引き続いているThe Dead Weather。Killsなどがどうなっているのかは知らないが、本隊から離れたメンバーたちも、自由に、勝手に音が鳴らせるので気に入っているのだと思う。
 前作からわずか1年足らずで届いた2枚目のアルバム。ジャックが純粋にバンドを楽しんでいるのが伝わってくる。前作では、メンバーの個々のクリエイティビティが出た音だったが、今作はよりジャック・ホワイトの音楽性が強く前に出てきている。よりグルーヴィに、よりアグレッシヴに。縦横無尽に、ブルーズ&ガレージが暴れまわる。1枚11曲が、1曲に聞こえてしまうほど、濃密な音たち。
 むろん、他のメンバーの力もあるのだが、やはり驚くのはジャックの才能だ。恐ろしいほどのクオリティのアルバム、とてつもない熱量のライブ、どこまで行くのやら。同時代に生きる者として、見届けたい。

Sea of Cowards

Sea of Cowards