不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

休日派豚丼日記

 都内某所で催されるシンポジウムへ行く。仕事だ。話を聞いていればいいだけだが、いちおう社を代表していくわけだから、余計な事はできん。肩に妙に力が入り、疲れる。注目しないでくれ。
 俺はまっすぐねじれた人間なので、真面目でまっすぐな人間とは合いそうで、全く合わない。だからといってねじれた人とも合わない。たぶん、いちばん厄介な根性をしていると思う。どんなに真面目な事でも、ユーモアがないと駄目だと信じているが、そのユーモアのバランスが紙一重
 『en-taxi』を買う。相変わらずよくわからん特集。「プロレタリア文学再読」とはちょっと違うような。何がどう違うかはわからんが。
 坪内祐三の対談3連発は、どれも読み応えがある。中の一人、菊地成孔は『スペインの宇宙食』と『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール』、そして『サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍』の3冊は愛読した。『CDは株券ではない』もおもしろかったが、最近はあまり読んでいなかった。久し振りに彼の発言を見たが、切れ味いい。発売されたばかりの雑誌から引用するのは気が引けるが、自分用のメモとして数行だけ。

菊地 だから、信じ、疑い、また信じ、また疑い、もう卒業した、二度と信じるか。と思っても、まだ自分の心から離れない、といったタフな往復。つまり信仰の問題ですけど、日本だとそれがプロレスに過度に集中してますよね。プロレスを通じて、多くの日本人が、信仰の一般的な――とてもタフな――試練を与えられています。プロレス/格闘技ファンが話をしていくと、最後は必ずそこに行きます。いつ、どれほど、どこを信じた経験があるのかという、その経験値の交換会になります。

 シンポジウム終了後、さっさと会場を出て新宿へ。バルト9で映画チケットを買い、本屋を流して時間を潰す。これまた別のシンポジウムに行っていた後輩と合流し、豚丼屋で夕飯。有名な店らしい。甘辛で、かなりうまい。味噌汁がお吸い物かというくらい薄かったけど。店の雰囲気が怪しげで、よい。
 映画は『ウォッチメン』。2時間43分と長尺で、映画終了は10時過ぎだったが、満員。「ヒーローが現実世界にいたら」というリアル・ダーク・ファンタジーだが、真正面からではなく斜めに見なければいけない。その斜めっぷりが凄い。失笑を禁じえないが、その失笑が曲者なのだ。なあアンタ、何でそこで笑ったの?
 鑑賞後、ベルクでコーヒー一杯。
 映画の感想を書こうと思ったが、難しい。amazonで『ウォッチメン』の原作を一話だけ読めたので立ち読み。*14月上旬に重版されるそうなので、買ってしまいそうだ。