ナンシー関『小耳にはさもう』読了。
これまでナンシー関にあまり関心を持たなかった。連載時に数回読んだ事がある程度で、おもしろいと思ったがそれだけ。単行本でも、テレビ評はリアルタイムで読むものだと思い込んでいたので、時間が経ってしまった本で読もうという気にはならなかった。
が、先日、何故か突然「ナンシー関を読まねばならない」と天の声が降ってきて、読んでみた。
凄い。おもしろいを通り越して衝撃だ。俺の理想形の一つがここにある。今さら「ナンシー関が凄い」なんて書くのは間が抜けているが、書かずにはいられない。切り口、視点、文章力と構成力、どれも完璧で無駄なし。高田文夫が「コラム史の両横綱は山本夏彦とナンシー関だ」とコメントしたり、松本人志が「信頼できるのはみうらじゅんとナンシー関」と言ったりした意味が、ようやくわかった気がする。いまある全てのコラム(特にテレビ評)は、ナンシー関を原点、または頂点として出来上がっていたのか。
もっと早く読んでおけばと悔やまれるが、逆に、今だからこそ凄いと思ったのかもしれないなぁ。しばらく、ナンシー本が続きそうだ。
- 作者: ナンシー関
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1996/09
- メディア: 文庫
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