不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

まだ四葉のクローバーは見つからない

 仕事が一息ついたから書くよ(終わったわけではない)。

 昨日見に行った、『ハチミツとクローバー』です。
 原作を知っていると、どうしたって比べてしまう。一緒に行った友人は、「必ずしも原作通りである必要はない」と言っていたけど、そんな彼女も「森田さんは札束は燃やさない」と言っていたので、やはり比べてしまうものなんだろう。
 当たり前だけ10巻近くある漫画を2時間でまとめるのは無理がある。展開速い。特にこの漫画はごちゃごちゃしている漫画なので、映像として再現するのは難しかったろうな。そんな中で魅力的なキャラクターを崩すことなく、現実世界に再現していたと思う。勿論、細かいところまで見れば違っている部分はあるんだけど、完璧に再現するなら漫画を読む。現実として映画化するからには、何かしらの差異があって当然で、むしろそれを楽しむもんだ。差異が楽しめるか、それとも怒髪天になるか、その違いというのが、漫画の映画化の難しさだろう。脚本は河原雅彦なんだ。へー。そういえば、はぐの絵はMAYA MAXXが描いていた。いい人、揃えてんなぁ。
 良かったのは花本修司役の堺雅人さん。原作と違って大人というか、疲れたオッサン風味だったけど、とてもいい雰囲気でした。森田忍役の伊勢谷友介は、森田にしてはちょいと野蛮だったけど天才肌で格好よかったので問題ないです。本当にカッコいいな、この人。内容は、恋愛部分よか友情部分が凄く良かった。海シーンとか。恋愛は一気にやったせいで、ちょっと深みなかったな。10巻分を一気にやらずに5巻分くらいをやった方が、もっと面白くなったんじゃないか。それとも、このメンツのままドラマ化とか。民放だと変な要素が入りそうなんで、WOWOWとかで。俺は原作全部読んでいるのだが、読んでいない人が映画をどう見るのか気になる。違う見方になるんだろな。
 何やかんや書いたけど、満足でした。不満がなくはないんだけど、何つうか、漫画を読んだ時と同じく大学時代を思い出した。少し淡い気持ちになった。でも昔に戻りたいと思うのは、違うんだろうな。時間は進むし、俺たちも前に進んでいく。だからこそ過ぎ去った出来事や瞬間を忘れずに、抱えていく。この漫画は「恋愛」部分がクローズアップされているけど、ちょっと違う気がする。あくまでも「大切な時間」の漫画だと思う。
「だから君と会った事や、君と過ごした時間はいつまでも忘れない」
 そんなセリフが聞こえくる。君というのは、好きな人だけじゃなくて、友達とかいろいろね。
 紛れも無い青春映画でした。そのせいで文章も青臭いです。恥ずかしいけど、そのまま掲載。