不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

アポロ計画陰謀論の真実

 結局『1』を見ないまま、『2』そして『3』を見てしまって、評判のよい『1』は見たくてもいつもすれ違い、このまま見なくてもいいんじゃなかろうかと思いつつある。
 トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』を見た。監督、マイケル・ベイ。出演、シャイア・ラブーフロージー・ハンティントン=ホワイトリー。製作総指揮にはスティーヴン・スピルバーグの名前があります。

 完結編にふさわしいゆっくりとしたオープニングは、『ムー』なんぞに載っていそうな陰謀話に実際の映像やアポロ計画を組み込んでいく事でダイナミズムを生み出していた。一緒に見たkjはその手の話が好きなので、「そうそうあれ以来、月に行ってないんだよねー」と嬉しそうに話していたので、好事家の方々の琴線に触れていたようである。
 予告を見て、なるほど、これはつまり「さようならドラえもん」「さらばウルトラマン」ならぬ「さらばオートボット」で、故あって人類だけで戦う羽目になり、力を借りつつも自分たちでケリをつけて、人類の愛と勇気に乾杯、そういう構図なのだなと勝手に解釈していたら、全然違うでやがんの。人類は(というかアメリカ人だけだが)戦いに挑むけれどそれは『2』でもそうだったし、メイン及びおいしいところはオートボットたちがかっさらっていくのだった。何も成長していないッ!
 相変わらずどこがどう動いて変形するのかも、戦っているとどっちがどっちなのかも分からないが、「ま、いっか」と流しながら見る事ができる。同じようにプロットに穴があるというのは言うまでもなし、いつにもまして雑な進み方のせいで怒涛の展開になってもちょいちょい「あれはどうなったんだよ」と突っ込む個所はいくつもあった。もうちょい脚本、なんとかならんかったんかねぇ。
 クライマックスのシカゴでの大立ち回りは、ロボットだから別にいいだろうとでも思ったのか、背骨を引っこ抜いたり、四肢を引きちぎったり、なおかつ人間も一瞬で灰(何故か頭蓋骨だけ残る)にさせられたりとなかなか愉快な地獄絵図なのだが、血液が出るわけでもないので悲惨さはなく、焦土と化していくシカゴの街並みとぶっ壊れて行く機械の数々を見ながら、「どうやって復興するのかしら」と他人事のように思ってしまうのだった。
 それだけ派手に暴れ回るわりには手に汗握ったり、笑ってしまうようなシーンは少なめで、予告で見た高層ビル破壊も迫力はあったけど予告で見た以上のものではなく、たとえば『2』にあった「車がくっついてでっかいロボットになっちゃうんだよ!」という、掛け算ができないから足し算しまくってみました、みたいな無茶苦茶な要素が少なかったのは残念。いや、今回も足し算しまくったんだけど、あんまりいい答にはならなかったと言う方が正確か。
 と、まぁ不満は多々あるものの、満漢全席の如くこれでもかと腹いっぱいにさせておきながら後日談などを一切いれず、「はい、終わり! ここまで!」と追い出すようにエンドロールに突入する潔さは嫌いじゃない。
 ごちそうさまでした。でも、やっぱりミーガン・フォックスの方がよかったよ。