不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

ジョナサン

 リチャード・バックかもめのジョナサン 完成版』(新潮社、五木寛之創訳)。創訳って……すみませんが、誰か他の人がきっちり翻訳してくれませんかね。正直、五木寛之のあとがきはゲンナリした。あと、実は著者の序文も。
 それはともかく、名前はもちろん知っているけど本自体は初めて読んだ。なるほど、こういう話なのね。思春期に読んだら影響受けたかどうか。周りの逸話を知ってしまっているので、読む前に構えすぎたのはあるけど、そんなに衝撃的とも思えないのだが。追加された最終章は、余談で蛇足にすぎないと思う。五木寛之は最終章を「神秘性を否定している」と書いていたが、逆じゃないかなぁ。神秘性を持たせてしまっているように読めたぞ。
 「ジョナサン」と聞いてすぐさま思い出したのは、ザ・ハイロウズの大名曲“十四才”だ。本書は曲のモチーフの一つになっているとは聞いていたが、改めて歌詞を読んでみると、「あの内容と、それを読んだ自分の衝撃を、ロックンロールの衝動としてこんなふうに昇華させたのか……ヒロトすげーな……」としみじみ思った。

かもめのジョナサン完成版

かもめのジョナサン完成版

十四才/フルコート

十四才/フルコート