不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

休日派盛りだくさん日記

 地下鉄神保町駅から外に出たら、凄まじい人、ヒト、ひと。すっかり神保町ブックフェスティバルが開催中だった事を忘れていた。覚悟していなかったので、うんざりしながら掻き分け掻き分け進む。
 昼飯に「エチオピア」でチキンカリーとチャイ。チャイはもともと甘いのに、うっかり砂糖を入れてしまい、歯がきしむ甘さに。店を出てドトールのカフェオレで口直し。
 東京堂書店坪内祐三講演会「本の恩師たち」へ行く。坪内さんのトークは、書くもの同様、余談が繋がっていくので、気が抜けない。抜けないというのも変だが。徳永康元山口昌男の話を中心に、恩師について。
 終了後、坪内さんの話で古本欲を刺激されたので、ちょっと見て回る事に。とはいえ、時間も気力もそんなにないので、すずらん通りの出版社のワゴン、しかも決め撃ちをする。
 まずは河出書房新社

 「映画狂人」シリーズはもういいや、と思っていたが安さ(一冊600円)につい手が。
 続けて筑摩書房

 いずれもちくま文庫ちくま文庫が半額で、5冊買えば500円引きで、しかも明日は出店しないそうなので、激混みだった。まぁ見ているお客さん、みなさん礼儀正しいので不快にはならず。時々いるんだよな、無礼な人。
 2社のみでやめる。昨日も外市行ったし。
 新宿へ出て、何となくピカデリーの時間表を見ると、『ウォンテッド』が見られるタイミング。もうそろそろ終わる頃合いだった。ぜひ映画館で見たかったので滑りこみセーフ。
 鑑賞後、それほど空腹ではないのでベルクでハムやソーセージをつまんで夕食とする。
 盛りだくさんな一日だった。明日はだらだらにしよう。

念じればタマも曲がるのさ


 間に合ったぜ、『ウォンテッド』鑑賞。監督、ティムール・ベクマンベトフ。出演、アンジェリーナ・ジョリージェームズ・マカヴォイモーガン・フリーマンテレンス・スタンプトーマス・クレッチマン
 うだつのあがらないサラリーマンが、謎の人に導かれて、猛特訓をし、その道の才能を開花させ、その世界で爆発していく。
 あれ? これ『マトリックス』と同じじゃね? と思いつつも、アンジェリーナ・ジョリーのきついアイラインで眉間にしわを寄せた顔と、キュートなシリと、肉厚の唇で、あ、違うと再確認するのである。でも、やっぱりほとんど同じ。
 スローモーションと早回しとを多用し、計算されたキメのビジュアルがスタイリッシュでカッコ良い。キーボードでぶん殴った後で飛んでいく単語とか(しかもキーボードがエルゴフィットというのがまた!)、弾丸に刻まれた言葉だとか、小ネタもキマッている。
 それにしても、笑えたのは特訓シーンだ。「才能がある」という投げやりな理由で、かなりサディスティックに開花させようとするのに、何故か妙な説得力がある。その一方で回復させる装置のむちゃくちゃな仕組みも笑える。とはいえ『ベストキッド』みたいな突き抜けたものがないのが残念。
 それにしたって、弾丸曲げるのが「意志の問題だ」と言い切られた時には、もう何て言っていいんだかわかんねぇよ。
 エンターテインメント映画なので、あまり深く突っ込まない方がいいと思いつつ、小ネタがいかしているだけに、本ネタ(ストーリー)の荒さが気になった。
 主人公が属する暗殺組織は1000年続いている。その1000年の歴史、築かれたシステムが、こんな小さな事で崩壊するのだろうか。世界規模の秩序を保とうとしている組織の瓦解が、身内揉め? そもそも、1000年の間に、同じような出来事があったはずじゃないのか。大筋ではなくても、裏切り者の行動も、アンジェリーナ・ジョリーの行動原理も、いまいち理解しかねる。背景が描かれていなさすぎ。そもそも「運命」で片づけるのは、いかがなものかね。
 と、まぁ言いたい事は山ほどあるけど、弾丸を曲げたり、車を横転させたり、非現実的でマンガチックな描写ばかりで、「CGなんて……」と否定気味の俺だが、こういう使い方は大好き。「I'm sorry」「He's the man!」などのセリフ、上司のドーナッツなどの使い方もよかったぜ。
 ジャンクフードをむさぼる感覚で楽しめた。