不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

そもそも川端康成、あまり読んだ事がない

 十重田裕一川端康成 孤独を駆ける』(岩波新書)を読んで、知っている話は多かったものの(小谷野敦の評伝は読んでいるので)短めにまとまった川端評伝と解説としてそれなりにおもしろかったのだが、それ以上に引用されている川端の文章がうまくて、おもしろくて、そっちを読みたくなってしまった。明治から昭和五十年代くらいまでの作家の文章というのはおそろしくうまい気がする(もちろん下手、悪文もいるけれど)。それ以降の作家と段違いに思えるのは何故だろう。むろん旧仮名新仮名と異なるが、何よりリズムが違う。うまければいいというものではないかもしれないが、へたよりはいい。こういう文章を書いてみたいと全く違うこんな文章で書いている。とりあえず川端の随筆集を買った。