不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

三月五日、エルヴィス

 一日出歩いた翌日はぐったりと疲れてしまうので今日はおとなしく地元をぶらぶら。新しく素麺の店ができたと聞いたので早速行ってみた。小さいがなかなか洒落た店で、なによりうまい。冷たいのも温かいのもあってつまみも多数あり、これから重宝しそう。古本屋に寄ってから喫茶店に行き、本を一冊読み終える。

 帰宅し、Netflix『エルヴィス』を見る。その名の通りエルヴィス・プレスリーの伝記映画で、監督はバズ・ラーマン。彼の作品はどれもケレン味たっぷりのひたすら続くオープニング、あるいは豪華絢爛なミュージックビデオに見えてしまい、それは作品次第でよくなる時も悪くなる時もあるが、今作はフィットしていた。が、どうしても行間があく筆致なのでパーカー大佐とプレスリーの関係の複雑さが薄くプレスリーの苦悩もイマイチ。その色鮮やかさの裏の虚無感という点でもフィットしているとも思うのだけれど。しかし、アメリカンドリームを果たせなかったパーカー大佐と父殺しを果たせなかったプレスリーというタッグは、成功したはずなのに大人になれないアメリカという構図に見えておもしろい。プレスリーを演じたオースティン・バトラーは熱演だったが、この手の映画で最後にご本人登場をさせるにしても写真程度にして映像はやめたほうがいい、どう頑張っても本人には敵わないのだから。ほんの少しでもプレスリーかっこいいわ、甘い声だわ……。

 夕飯は、悪友から「不調ならカレーを食え」と言われたので冷凍しておいた家カレー。惰性で『どうする家康」を見て、やはり夜の散歩で感想戦で酷評する。