不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一月二〇日、彼女は言った

 カミさんが仕事なので今日も一人で映画館、本日の作品は『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』ハーヴェイ・ワインスタインの告発記事を書いたNYタイムズの記者二人の話。感傷を入れず坦々と、されど尊厳を傷つけられた被害者の傷と怒りに触れ、材料を積み重ねて報じるジャーナリズム映画としてとてもよい。冒頭だけで何が起きたのかを雄弁に語るような手際の良さが、緊張感と緊迫感を高めていく。キャリー・マリガンの呆れ顔がハイライト。邦題副題はともかく、「SHE SAID」(彼女は言った)という一人称と過去形が重い。過去に言っているのに。

 よくできているからこそ、ある記者の一つの行動が引っかかる。どうやら実際にしてしまったらしいが、劇中でも後から反省もしていたけれど、下手したら一つの家庭が崩壊していたわけだし、彼女がこの件についてその人物から問われるのはあまりに酷ではないか。また感想をちらほら見ているなかで、ブラッド・ピットへのもやもややホワイト・フェミニズムNYタイムズがワインスタインのセクハラを前から知りながらこれまで報じなかった事や社内で同じ構造でのセクハラがあった件などに触れていない事の指摘の他に、ミーガン・トゥーイーが反トランスの記事を書いていたらしいと知る(全て日本語の断片情報だが)。

 帰宅。夕飯を喰って今日は『新選組!』はなし。引き続き仕事をするカミさんの横でぼんやり動画を見たり漫画を読んだり。久し振りに頭痛がして薬を飲む。