不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

療養中に読んだ本

 療養中は時間があったのでやたらと本を読んだ、不調時に読めなかったのを取り返す勢いだが別にそんなつもりは一切なく、読めるなぁと思って読んでいた。紙の本はもちろんだが、電子書籍にもなれてみようかなと突如思いついてKindle Unlimitedで気になる本をダウンロードしては読んでいた。

 紙の本ではーー十川信介夏目漱石』(岩波新書)、池内紀『闘う文豪とナチス・ドイツ トーマス・マンの亡命日記』(中公新書)、吉川浩満『哲学の門前』(晶文社)、ジョン・マウチュリ『指揮者は何を考えているか 解釈、テクニック、舞台裏の戦い』(松浦哲也訳、白水社)、『新潮』2022年12月号(新潮社)、『ゲンロン13』(ゲンロン)、あとは詩集や短歌集を何冊か。

 Kindle Unlimitedではーー池内紀『となりのカフカ』(光文社新書)、中島義道『生きるのも死ぬのもイヤなきみへ』(角川文庫)、海老坂武『NHK「100分de名著」ブックス サルトル 実存主義とは何か 希望と自由の哲学』(NHK出版)、 許光俊『世界最高のピアニスト』(光文社新書)、車谷長吉『雲雀の巣を捜した日』(講談社)、森博嗣『すべてはFになる』(講談社文庫)。

 一番おもしろかったのは、吉川浩満『哲学の門前』。印象に残っているのは池内紀『闘う文豪とナチス・ドイツ』で、それは内容がいいというよりも、肺のために空気のきれいな山奥に行きたいとTwitterで書いたら「山深いサナトリウムで様々な人と出会い人生の真理へと近づいてゆくトーマス・マン的な龍氏を想像してさすが文学派だな……と勝手に納得しました」とのリプライをもらい、私が文学派なのかどうかはともかく(どうなんでしょうか)、トーマス・マンって読んだ事ないな、『魔の山』を読んでみるか、でもいきなりはハードル高いな、まずは軽く評伝から、と思って選んだのだが、本書で書かれているのはすでに『魔の山』を書き終えた後の亡命時代だったので的外れになってしまった。内容はまあまあ。