不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

本が揺れ続けている

 あの頃、ジェイムズ・エルロイのいわゆる「暗黒のL.A.」四部作を読もうと思っていて、持っていなかった『ビッグ・ノーウェア』をAmazonで注文していた。それが届くか届かないかと待ちわびている日だった、揺れたのは。だからいつも今日という日を思い出すと、ジェイムズ・エルロイも思い出す。その後、四部作を全部一気に読む計画は頓挫して、『ビッグ・ノーウェア』は開かないまま十一年経った。興味がなくなったわけではない。その物語でなくその文庫本が、その記憶と共に閉じられてその本棚に置かれてしまったような気がいまだにしているからだ。そのへんのミステリーを読むように開いて読める日が来るのだろうか。