不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一月二九日、小津

 コーヒー豆がちょうどなくなったので下北沢へ行き、まずは予約をしていないが入れないかとイタリアンIを覗くと空席あり、「予約の電話してくださいよ」とまたもやシェフに言われる、すみません。たぶん無理だと思っていたので、予想外にうまいものを喰えた。コーヒー豆の焙煎の間は古本屋巡り、二冊買う。チャイ専門店で一杯飲んでから、仕事へ行くカミさんの本を持って帰る事にして、これで持ってきた本と合わせて七冊。そのうえ地元の古本屋でも二冊買ってしまい、計九冊の本と600gのコーヒー豆を持っているのだからさすがに重く、家に帰る。

 何か映画を見ようと、Amazon prime videoで選んだのは『コロンバス』。建築映画とは知っていて、もちろんその要素はあるが、カメラワークといい話といい、ほぼ小津安二郎だった(むろん監督なりの味にもなっている)。ちょうど小津の本を読んでいたので妙な偶然。調べてみたら、監督は小津ファンで、名前も小津の相棒の脚本家である野田高梧からとられた「コゴナダ」と名乗っているという。地味で静かながら強い映画、好き。近いうちにもう一回見ようかなと思うほど。

 夕飯の冷凍チャーハンを食いながら途中まで見ていた『リーサル・ウェポン3』を見終えて、カフェラテを入れてから、せっかくだから小津作品を見ようと選んだのは、『晩春』。とにかく中盤の能の観劇シーンがすさまじくてたじろくほど。その後の父と娘のやりとりには息を呑むし、以降の原節子の顔がこわい。そしてこんな踏み込んだ話なのか……ようこんなん思いつくな。

 風呂に入ってから、Netflixで『コーヒー&シガレッツ』を再生し、2エピソードほど見終えたあたりでカミさんが帰ってきたので映画時間は終了。

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