不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

一月三日、見上げねば見えぬもの

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 初夢は見たが内容は覚えていない。駅伝見ながら鶏皮甘辛雑煮を喰らい、少しばかり仕事をする。オンラインでちょこちょこっとした作業だが、オンラインでできてしまうのだから便利で困る。終わらせてから外出。さすがにまだ三ヶ日、開いている店は少なめでぶらぶらと散歩。途中、駅ビルのタリーズで茶。本屋などを覗いていたら、ちょうど夕飯時になるも前述した通りやっている店は少なく、いろいろ彷徨った結果、ココイチに行く、まさかの二日連続カレー、許してくれ。

 自宅でカフェオレと共にNetflix『ドント・ルック・アップ』を見る。秀逸な風刺コメディでおもしろい。コロナ禍への政治の動き、科学者の振る舞い、一般人の理解と無理解と行動を思うと、笑えるけど笑えない。とはいえ、思いついてもここまでうまくはまとめられないだろう、アダム・マッケイ恐るべし。「ルック・アップ」でなく、「ドント」をつけるあたりの意地悪さがいい。俳優はみな好演熱演。レオナルド・ディカプリオはもっさりしているけど整えたらやっぱりいい男だよねーというのをうまく使っている。メリル・ストリープは名演技、さすが。そして何より、ジェニファー・ローレンス最強伝説は続く、すばらしい。まぁしかし、あくまでコメディ、ツッコミどころはあり、他国の動きがあまりにもないなど。

 政治や科学、また資本主義が表テーマになっていて現代的だけど、同時に「信仰(宗教)とは」が裏テーマとしてさりげなくあったように思う。つまり特定の宗派(教え)ではなく、「日常と究極的な瞬間に何かに祈りを捧げる」事の本質。また、本作は風刺コメディだが、同じテーマのベン・H・ウィンタースの『地上最後の刑事』シリーズ(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)を想起させ、私がよく引用する二作目『カウントダウン・シティ』のこのやりとりをまた思い出した。

小惑星のせいで、多くの人間がしたように、おれもつらい決断をせざるをえなかったと言ってくれ。マーサなら意味をわかってくれるだろう」
「ちがう」私は首を振る。
「ちがう?」
「お言葉ですが、小惑星のせいであなたは奥さんのもとを去ったのではない。小惑星は、だれにもなにもさせていない。あんなの、宇宙を飛んでいるただの大きな岩のかたまりですよ。だれがなにしようと、決断はその人のものです」

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