不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

発見の続きではないが昨日の続きといえば続き

 昨日の日記を書いたあとでふと思い出したのは吉野朔実の『恋愛的瞬間』のある回で、久しく読んでいないので内容を確かめたかったのだが本棚のどこにあるかはわかっているが取り出すのがやや面倒な場所だったので記憶で書くのだけれど、主人公の羽左吉が自分の理想とも思える女性を見つけ、理想の女性との理想のデートを夢想し、それのリハーサルをやってみたら自分だけはそのデートについていけない、理想の相手との理想の世界に自分自身が邪魔だった、と気づくシーンだ。何故か俺はそのシーンをやけによく覚えていて、「理想には自分が邪魔なのだ」と思う事がままある。理想を求めないように自分に歯止めをかけているのか、現実はそんなもんだとニヒリスティックな気分に浸っていたいのだろうか、それらもあるがたぶん理想なんてしょせん頭の中のイメージでしかないのだという妙なリアリズムかもしれない、だが時に現実は理想を飛び越える、それもまた確かだと信じている。