この年末年始は本を三冊くらいしか読まなかった。昨年最後に読んだのは、養老孟司・伊集院光『世間とズレちゃうのはしょうがない』(PHP研究所)。たぶん対談自体は一、二度しかやっておらず途中で養老さんが飽きちゃった気がするし、妙なところに一行空きが入っていたりと、内容が結構おもしろいだけにもう少しちゃんと作ってくれたらよかったのにと思う一冊。世間とズレてるのが怖いと理屈で調整してやっている芸人と、ズレているからズレっぱなしでいいやと開き直った解剖学者。俺はタイプとしては伊集院の方だなぁと思いつつ読んだ。あと読んだのは山根貞夫・米原尚史『『仁義なき戦い』をつくった男たち 深作欣二と笠原和夫』(NHK出版)で、五部作を見た後で古本屋で見つけたのでこれは買うしかないと購入。おもしろかったけど俺が求めていたのは『仁義なき戦い』という映画そのものについての本だったので、また改めて別の本を読むかも。
年末に突如短歌を読みたくなって、現代短歌の歌集を十数冊ほどまとめ買いをし(正岡子規の本も買ったけど)、その辺に置いておいて、時折適当に手に取っては開いて二、三首読み、閉じてまた別のを開いて、という読み方をずっとしていたので他の本がなかなか読めなかった。歌集以外にも木下龍也『天才による凡人のための短歌教室』(ナナロク社)を読んだ、それで自分でもちょっとやってみたくなってしまって、また、いずれ、そのうち、たぶん、きっと。
- 作者:木下龍也
- 発売日: 2020/11/14
- メディア: 単行本