不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

六月一三日、歩くのが早い、財布

 アイスラテを飲んでから昼より少し早めに家を出てフレッシュネスバーガーで塩レモンチキンバーガーを喰らう、うまい。喰い終えるや店を移動し、今度はホットのカフェラテを一杯飲んで、会社に行く俺をカミさんが見送ってくれた。別れてから少し歩いて、ふと振り返ったらまだカミさんが見ていたので手を振った後、メールで「そんなに長く見送らなくてもいいのに」と送ったら、「歩くのはえーと思って見てた。ぐんぐんと人を追い抜いていたよ」と返信。昔から歩くのが早いのだ、別に走るのは早くないのに。誰よりも先に行きたいと思ってはいないのだが(抜かれたからといって気にしない)、どんどんとタッタカタッタカと歩いているらしく、以前街で姉とすれ違った事があったらしいのだが「猛スピードだったから声もかけられなかった」と言われた。『たべるのがおそい』という文学ムックがあったが、『あるくのがはやい』というパロディタイトルのリトルプレスでも作ろうか。

 会社に着いて作業していると上司から電話、出るなり「昨夜、財布を落として気が気じゃない、仕事ができそうにない」。そりゃそうだろう、夜も眠れなかったのではないか。「一応いまから会社行く」と言ってから結構経つのになかなか来ない。きっと昨夜辿ったルートを逆行しながら交番に寄ったりしているのだろう、気もそぞろで事故にあったりしなければよいのだがと心配していたら、今度は明るい声で「あった!」と連絡あり。交番に届けられていたという。落としたままだったら些細なミスでも怒られるなと戦々恐々としていたのだが、見つかるや今度は何しても許されそうな雰囲気に。実際、「よし、ご馳走してやろう!」と中華料理屋で普段頼まないフカヒレの姿煮を頼んだ、別に儲かったわけでもないのにそういう気分になるのはよくわかる。仕事を終えて「今夜はよく眠れる……」と軽やかに上司は帰っていった。一方、休日出勤帰りの俺の足取りは重かった、雨はやんでいた。