不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

六月七日、ケイゾク

 よく行く喫茶店が開いていたので入ると、テーブル数をぐっと減らして、席も机の向かい合わせでなく横並びにして間合いをとるように設置されていた。いつも狭めと思っていた店内だがこうして見ると広く感じられる。どの店も工夫して、ギリギリの中やっているんだなと思う。ただ、その店には本棚が置いてあって店セレクションの本が並んでおり席で読む事ができるのだが、そこは前と同じままだったので、客が本を出し入れしていたら間合いをとろうがマスクをしようがビニールカーテンをつけようが、本末転倒ではないかと思った。思ったのならそれを言えばいいのだが、会計の時にはすっかり忘れていて、いまこれを書いて思い出した。

 古本屋に寄りながら帰宅。冷たい紅茶を飲みながら、先日Amazon prime videoで配信されている事を知った『ケイゾク』ドラマ版を見始める。夕飯を挟んで続けて四話まで。好きだったな、柴田と真山コンビ。真山の話し方の真似をしたくらい。スタイリッシュといっていい演出も当時は斬新だった。中学生くらいからずっと中谷美紀が好きで、『BeRLiN』なんてもっと好きな永瀬正敏との共演だったからキャッキャと見ていた、いまとなってはそうでもない作品だと思うが。リトルモアから出ていた写真集も坂本龍一と組んだ音源も持っていた。だけど、まだそれほど知られていなかったから、好きな女優・タレントとして名前をあげても「誰だよ、それ」と友人たちに冷ややかに笑われていた、自分が知らないからと笑う筋合いは一切ないのだが頭の悪い思春期の男なんてそんなものである。それが『リング』や『ケイゾク』でお茶の間に知られて、笑っていた友人も『ケイゾク』にハマって騒ぐものだから、「おまえ、前は全然知らなかったくせに」と面倒くさい古参ファンみたいな事をブツクサ言っていた、見ながらそんな事まで思い出してしまった。