不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

六月六日、映画館、ゾンビ

 昼飯(アンチョビとキャベツのペペロンチーノ)を食べてからぶらぶらと外出、暑い。街はマスクだらけの人で賑わっている、俺もその一員。今日は映画である。調べてみたら最後に見たのは二月二十九日の『ミッド・サマー』、三ヶ月以上ぶりだ。ここ数年は本数が少なめとはいえ、それでも月に二〜三本は映画館で見ている、それが三ヶ月なかった、おかしな事態もあるものだ。

 映画館へ行き、昨夜予約したチケットを発券。「時間ギリギリまで入れない」と係員に言われたので周辺を散歩して時間を潰し、改めて手を消毒し、トレイに載せたチケットを確認してもらい、体温を測られ、全てクリアしてから館内へ。座席は一個ずつズレた配置になっていて、劇場としては満員でも半分しか人が入らないから痛いだろうが、観る側としては強制的に前後左右に人がいないのは快適だったりする。カミさんともひと席離れているけど別に問題はない。席に座って開演ブザーを聞き、いつもの注意事項映像が始まる。誰だったか、映画監督か関係者だったか映画クラスタだったか、とにかく映画好きの「映画泥棒とかを久しぶりに見たら泣いちゃうかも」という呟きを見た事があるが、俺はそんな事は全くなかった、久し振りだなと思っただけだった。大きなスクリーンを暗闇で見るのは特別な経験だとは思っているけれど、俺のセンチメントはこういうところでは炸裂しない。

 選んだ作品は『デッド・ドント・ダイ』、カミさんリクエスト。ジム・ジャームッシュ映画もゾンビ映画も興味のなかったカミさんが、アダム・ドライバーにハマった事で、『パターソン』は見たし、『デッド・ドント・ダイ』もすぐに見に行くとはりきっていたし(だから延期にはうなだれていた)、推しの力というのはどんな壁も打ち壊すのだなとしみじみ実感した。今日もむっちりアダム・ドライバーを見て満足し、スマートカーを欲しがり(俺に乗って欲しいと言う)、パンフレットを買っていた。俺の映画の感想を書けば、なんだ、これは。ふざけてんのか? と胸ぐら掴みたくなるがきっと真剣にふざけているわけだから意味がない。全編いらないシーンでできているようで、かなりのオールスター揃えて(ゾンビの演技を楽しそうにしている人がいっぱいいた)、時間と金を使ってこんな映画を撮らなくてもいいのではないかとジャームッシュに問いかけたくなるような珍品。つまんないと言いつつ結構笑ってしまった。それにしてもティルダさんはすごいな……。

 早めの夕飯(つけ麺、カレーを避けたら麺ばかりになってもうた)をとって帰る。不穏な雲行きでちと焦ったがちょうど帰宅した時に雨が降り出した。雷も鳴る中、暑くて喉が渇いていたのでカミさんと「のんある気分」を半分こして、そのあとでアイスラテを楽しむ。水分補給が大切な季節になってきた。