不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

二〇二〇年四月八日のうどん屋、会社、月

 姉から「緊急事態宣言で何が変わるの?」とメールが来た、「気分」と返した。

 昨日よりも会社は人が少なく、閑散としている。俺の部署も自宅作業の人がちらほら出ていて、だが俺は今どきFAXで送られてくる書類の対応などがあるので出なければならない、出れば在宅の人から会社でしかできない事をやらされる、いつだって貧乏くじだ。昼時に外出したら町も昨日より寂しくなっていて、飲食店をはじめとしてしばらく閉店の店が増えている、サンマルクまで閉店していた。うまいけどいつも行列ができていて入れない有名店はどうかなと冷やかし半分で見に行ったら、開いていて空いていたので入る、釜玉うどんにかしわ天。

 コーヒーを飲みながらぶらっと散歩をしてから会社に戻り、仕事の続き。気づいたら誰もいなくなっていて、18時過ぎ頃にもう一人だけ残っていた隣接部署の先輩が「帰るか」と言い、そうですねと言って帰った。帰る直前、在宅の上司から電話があって今日の報告と明日の事を話して切って、すぐにまたかかってきて「君も気をつけてね」と言った。そうですね、有り難うございますと応えたが、いま何に気をつければいいのやら、もう気をつけるべきところでは気をつけている、マスクが手に入らないくらいか、友人が備蓄があるから譲ってくれると言ってくれたがまだ受け取れずにいる。いつもと違う雰囲気のせいか、やけに疲れる日々が続く。

 最寄の隣駅で降りて、街の様子を少し見ながらほっつき歩く。開いている本屋に閉まっている本屋から溢れた客が来ているようで混雑していた、本末転倒、何も買わず。品薄というわけではないスーパーで牛乳を買ってから、ふと空を見上げたら、東の低い空に、大きい、黄色い、美しい、月があり。それを眺めながら、数日前から繰り返し聞いているeastern youth“青すぎる空”を爆音でイヤホンから流しながら歩いて帰る。いずれ暮らしの果てに散る、いずれ暮らしの果てに散りたい。


eastern youth - 青すぎる空 @ 森、道、市場 2019