先日、円城塔・ 田辺青蛙『読書で離婚を考えた。』(幻冬舎文庫)を読んで、俺もこれをやりたいと思った。俺とカミさん(kj)は読書好きなのだが趣味が全く違っていて、一緒に住んだら本の量が減ると思っていたら、減るどころか自分が買う後ろめたさを隠すために相手が買うかどうか迷っていたら背中を押すようになったので、ドンドン増えていっている始末である、本がなければ身軽な夫婦なのだが。そんなに趣味が違うのなら、お互いのオススメを読んでみるのもいいではないか、そう思って企画を持ちかけたらおもしろそうだと二つ返事で乗ってくれた。
⚫︎ルール
- 推薦本は推薦者は既読であり、所持しているものに限る。
- ジャンルは限定せず、長短も限定せず。
- 月の初めに課題図書を伝え、月終わりには読み終え、感想を話し合う。
毎月キチンとできるかはわからんが、まぁゆるゆるで。
kj→龍:ショウペンハウエル『読書について』(岩波文庫、斎藤忍随訳)
kj「本当は別の本にしようと思っていたんだけど、見つからなかったのでこれにしました。龍さんが『読書に集中できない』と言っていた時期だったので、ならばこれだな、と思って。身も蓋もない書き方でおもしろかったので、どうかなと」
このタイトルなのに「思索」「著作と文体」「読書について」の三章のうち二番目が一番長かったところでズッコケた。ともあれ、本当に身も蓋もなく辛辣で笑ってしまうほどだった。「ろくな本がない」「いい本だってそれは結局他人の思考だぞ」「匿名はマジでクソ」(全て意訳、こういう意訳も怒られそう)などなど。そのつど突き放されるので薄いわりには読み終えるのに時間がかかり、もうすぐ終わりだなと思ったところで「いい本は二度読め」と出てきたので、先回りしてビシッと言うショウペンハウエル、さすがである。他の本も読んでみたくなった。
龍→kj:レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』(ハヤカワ・ミステリ文庫、村上春樹訳)
龍「自分のフェイバリット小説の一作だけど、海外小説もハードボイルドもほとんど読まない彼女がどう読むのかが気になって」
海外小説は登場人物の名前が覚えられない上、顔が全然イメージできないから苦手だったんだけど、龍さんに付き合って映画を見るようになったら、何となく「こんな感じかな」と掴めるようになったので読めた。テリー・レノックスはトム・ヒドルストンのイメージ。所々で「こんなふうに言うか」とか「何でこんなに書き込んでんの?」とか思ったけれど、全体的には次の展開がどうなるのかと楽しみながら読めた。マッチョ的な要素もあったけれど、まぁこういう時代だったんだなと思えば気にならなかった。
──以上、第一回でした。またいつかに続く。

- 作者:ショウペンハウエル
- メディア: 文庫

ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)
- 作者:レイモンド・チャンドラー
- 発売日: 2010/09/09
- メディア: 文庫