生きる事は選び続ける事で、選ぶ事は祈る事、と書く事も祈りに近い、そして全ては自分のものだ。何に祈る、神か仏か、俺の預かり知らぬところである、神でも仏でも猫でも言葉でも三分間のポップソングでも、好きなものにしろ、好きな事をしろ、迷惑はかけんな、生きろ、選べ、祈れ、書け、歌え、踊れ、歩け、進め。
「小惑星のせいで、多くの人間がしたように、おれもつらい決断をせざるをえなかったと言ってくれ。マーサなら意味をわかってくれるだろう」
「ちがう」私は首を振る。
「ちがう?」
「お言葉ですが、小惑星のせいであなたは奥さんのもとを去ったのではない。小惑星は、だれにもなにもさせていない。あんなの、宇宙を飛んでいるただの大きな岩のかたまりですよ。だれがなにしようと、決断はその人のものです」
- 作者:ベン・H. ウィンタース
- 発売日: 2014/11/07
- メディア: 単行本