滝口悠生『やがて忘れる過程の途中』(NUMABOOKS)。アイオワ大学で行われた滞在型プログラム「インターナショナル・ライティング・プログラム」の十週間の記憶と記録を書いた日記。書く事、話す事、言葉が通じにくい事、確かな戸惑いと曖昧な理解がある事、そこに関係が生まれ変化していく事。英語あまり話せんのによう行ったな。9月15日の刈り上げ会がやけに眩しく見えた。悠生はずっと「ゆうせい」と読んでいたが「ゆうしょう」だったと本書で初めて知った。
- 作者:滝口悠生
- 出版社/メーカー: NUMABOOKS
- 発売日: 2019/12/26
- メディア: 単行本
平民金子『ごろごろ、神戸。』(ぴあ)。はてな界隈ではお馴染みであろう、稀代の写真家であり文筆家の平民金子氏が神戸市公式ホームページで連載されていたエッセイをまとめたもの。連載時にもたまに読んでいたが一冊にまとまって嬉しい。いまもブログは読んでいる。玉石混淆というと聞こえは悪いが、ゴツゴツの石も味わい深いし、宝石のような玉の文章も山とあって、つまり全編読み応えのあるマッシブな一冊。こんなふうに世界を見て、こんなふうに書いてみたいとすら思ってしまうがそうはならないので、俺は俺なりに見て書いていくしかない。