不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

キッチンの悪魔/悪魔が来たりて美味作る

 表紙写真がかっこよかったので手に取ってレジに持っていったら思いのほか高くて、何故にと確認したらみすず書房から出ていたマルコ・ピエール・ホワイト『キッチンの悪魔 三つ星を越えた男』(みすず書房、千葉敏生訳)。イギリス人初にして最年少三つ星獲得シェフの自伝なのだが、これがみすず書房から出るのは少し不思議だ。『中国くいしんぼう辞典』という本も出していたので、最近料理関係に強い編集者が加わったのかもしれない。破天荒で、ロックスターのようなシェフの経歴はわりと読み応えあるのだけれど、できればもっと写真、本人も仲間たちも、そして何より料理もどういうものだったのか実際に見てみたいし、何よりも彼の料理がこれまでと何が違いどこがすごいのかをもう少し知りたかった、何せ三ツ星、「それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理」なのだから。その辺は活字だけだと伝わりにくく、映像の方がはるかに伝わってくるものである。

 ミシュランの星といえば、先日行ったINUAが今年のミシュランで二つ星を取ったという。二つ星は「極めて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理」との事で、俺の場合は全く遠回りはしておらず、「極めて美味」なのかどうかもわからないけれど、特異な体験をしたのは確かでその事は行った日に書いた。

現代料理を喰った - 不発連合式バックドロップ
続・現代料理を喰った - 不発連合式バックドロップ

 結果的ではあるがおそらく初めて星付きレストランで食べたわけで、まぁだから何だといえば何なのだが、あれが世界的レベルの(味も値段も)レストランなんだなと後から思うのであった。これ以上の三つ星レストランとはいったいどんなレベルなのだろう、今後行く事が果たしてあるだろうか、なさそう。