不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

些細な事

 カミさんが友人と会った、その友人は旦那と喧嘩しているそうで理由を聞いたら、「いつも『ジャンプ』を買っているんだけど、実は『マガジン』も買っていた」から、犬も喰わない。よくよく聞けば「黙っていたこと」「嘘をついたこと」が許せなかったという、それならわからんではない。その一点だけを見るとくだらないが、それはあくまで点でありもっと前から続いていた線に火がついただけである事が多い。人間関係というのはおおよそそういうもので、現在でも過去でも変わらない。歴史を振り返った時に、「なぜこの人物がこういう行動に出たのか」を様々な資料を用いて分析していくが、実は「あいつが気に入らないから」だけかもしれない。しかもその理由は「目つきが嫌だ」「食い方が汚らしい」「何気なく言った一言が許せない」といった些細なものだったかもしれない。些細な点から気に喰わなくなったり、気に喰わなかったところに些細な事が起きたりして、事が大きくなっていく。そんなものである、分岐点やポイント・オブ・ノーリターンは過ぎてからわかる、過ぎてからしかわからない。ボートを漕ぐようにしか未来へ入れない、目に入るのは過去の風景ばかり、と言ったのはポール・ヴァレリーだったか。