不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

表現

 会社ではコーヒーが飲み放題だがあまりうまくないし、そう何杯も飲みたくない、たまに外で買うにしろ、毎日は金がかかるのでごめんだ。とはいえ、何か飲みたくなる事はあるし、水やお湯でもいいがそればかりでは味気ない、お茶はどうだろうとティーバッグを持っていってガブガブと飲む事にした。とりあえずコンビニで緑茶とほうじ茶を買い、どちらかを一日一つ、マグカップにたっぷり淹れて、バッグ一つにつき三〜四杯、最後の方は単なる色つきお湯になるが悪くない。

 他の種類のティーバッグも買ってみよう、せっかくだからと成城石井でコンビニより高めのティーバッグを探しにいったらよさげないくつかかあって、そこからプーアル茶を買う。プーアル茶だがパッケージには「プアール茶」とあってどちらが正しいのだろう、名前の下には「バラのような甘い香り」ともあった、お茶でバラの香りとな、楽しみ半分不安半分で淹れてみたら、バラの香りは全くせず、他の甘い香りでもなく、あえていうなら出汁のような匂いだった、味はプーアル茶で悪くないがやけに濃く出るので、マグカップでガブガブ飲むには適していないかも。

 「××のような香り(味わい)」という表現はワインのソムリエがするとかしないとか、その表現力でソムリエの力量が試されるとかされないとか、そんな事を言われていたように思うが、俺は飲めないのでそれを直接見た事も聞いた事もないし、もしかしたらそもそもそんな話はないのかもしれないが、コーヒー豆でも頻繁にそういった表現が使われているのは知っている。よく見かけるのが「ダークチョコのような甘さ(味わい)」であるが、ダークでも何でもチョコのような甘さはコーヒー豆からは出てこない。「フルーティな香り」もあるが、コーヒー豆は豆といいながら果実ではあるにせよ、「フルーティな香り」を嗅いだ事はない。

 これまででもっとも疑問だったのが、「少女マンガの王子様のようなさわやかな後味」と書かれていたコーヒー豆だ、「少女マンガの王子様」は爽やかなのか、実際の味の話なのにマンガを持ち出すのは適切ではないのではないか、と疑問符だらけになりながらも試したくなって、買って家で飲んでみたが普通にコーヒーの味しかしなかった、それなりにうまかった、この表現はその店で二度と見た事がない。