日本人作家と海外の作家とをわける意味は特にない。
ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』(新潮社、岸本佐知子訳)。ズレて痛い人間たちが、二転三転怒涛といっていい展開で各々の人生を練り歩く様を、「みんなそうなんだよね」と囁くような真摯で誠実ともいえる筆致で描いている。ドキュメンタリーのような『あなたを選んでくれたもの』がよかったので本作も手に取ったが、やはり彼女の小説は俺には正直合わない、合わないんだけど、しかし読めてよかったと思う。特にこの個所に行き着いた時、もう、何かが、鷲掴みにされた。
それから戻ってきてまた彼女の腕の中にもぐりこみ、こんこんと眠った。朝はどこかで迷子になっていた。二人このまま永遠に寄り添って、ずっとさよならを言いながら、いつまでも別れない。
- 作者: ミランダジュライ,Miranda July,岸本佐知子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/08/24
- メディア: 単行本
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