不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

休日派来訪日記

 人を招けるほど家をキレイにしておきたいが特に招きたくはない、かといって拒絶しているわけではなく相当親しいのならば来訪もやぶさかではない、その相当親しい仲であるところの悪友IZ一家が本日来る事になり、と書いてしまうと急な話のようだが実は我が家への来訪の約束は一年近く前からのもので、こちらの都合で延期延期になり、いいかげんにせねばと今日に決まっていたので、朝から我が家は大わらわだったが、もっと早くから用意をしろと言われれば返す言葉はない。言い訳をするなら、思い返せば我が家に来たのは近親者と古本屋さんだけで友人を招くのは初めてで、何も大歓迎をする事はなかろうがそれでも客人を迎えるのだから用意が必要で、だが一体何をどう用意すればいいのか皆目見当がつかないのであった。
 駅近くで待ち合わせて昼飯を喰らい(パスタ)、お菓子屋によってケーキとアイスを買い、アイスを味わいながら我が家へ来て、お茶とケーキを前に談笑したりIZの息子くんと猫との触れ合いを眺めたりして過ごし、近所の公園を散歩しつつバス停へ向かい、バスで駅に出て見送る……文字にすればこれだけの事なのだが、やけに疲れてしまったのは暑さのせいだ。とにかく暑い、真夏が帰ってきたかのような日差しで、IZは紳士用の日傘をさしていたがそれでも暑くていささか参っていた。帰りのバス内では、みな気怠さを抱えていた。どうにも素っ気ない歓待ではなかったかと思ったが、帰ってから来たメールでは楽しんでいただけたようでよかった、ホッとした。こちらも久しぶりの談笑と、何をするかわからない息子くんの相手が楽しかった。
 ところで拙宅の猫である。虎と黒は歳をとったのもあってか最初こそ警戒するものの、少しすれば客の前でも横になったら腹を見せたりするのだが、白は人見知りが大変にひどく、宅配便が来ただけでどこかへ消える。今日もIZ一家の姿を確認するなり猫なのに脱兎の如く走り去っていった。おそらく書斎のタンスの奥にいるのだろうと様子を見に行ったら、見つかった事に驚いてまたもやいずこかへ逃げていった。あれだけ避けるのも珍しい気がする。IZ一家を見送り、本屋古本屋に寄り、沖縄そばをたぐってから帰っても姿を見えない。どこにいるのやらと心配していたら、ひょっこりと出てきて、やれやれと言わんばかりにドサッと居間の床に横になった。
 猫だけでなく人間も疲れていたので、一休みしたら早めに風呂に入り、日記を書き、とっとと寝る。明日の予定は明日考える。