会社の暑気払い会だった。今年は一応ビアガーデンとでも言えばいいのか、レストランのテラス席での食事だった。肉がたっぷり出た。言うまでもなく俺はビールは飲まずにジンジャエール、烏龍茶、グレープフルーツジュースを飲んでいた。今日はこれまでのしんどくなるほどの暑さがなりを潜め、もう秋かと思うような涼しさで、夕刻から外で過ごすのにはもってこいの日だった。だが八月を前に暑さが終わってしまうのも寂しいとつい思ってしまうが、またぶり返せばうんざりするのだろう。酒飲み共のテンションから外れ、一人ぼんやり空を見上げていたら、海に行きたくなった。夏でなくともいい、秋でも冬でも。誰でもいない海、知らん顔して人がゆき過ぎても。
