不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

三美スーパースターズ 最後のファンクラブ/好きで弱かったわけじゃない

 パク・ミンギュ『三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』(晶文社、斎藤真理子訳)。何かに熱中した青春の疾走、振り回された青年期、人生の苛烈を味わった時、結果が全てであるプロ野球の世界であるにも関わらず「勝負だけが全てではない」と教えてくれたのはあのチームだった、疲れた時にはこれを読め。韓国で実在し、そして実際にメチャクチャ弱かった三美スーパースターズを題材にした小説。この作者にしてはオーソドックスな物語と筆さばきだなと思ったら、『カステラ』『ピンポン』よりも前に書かれた小説だった、そうとなると、なるほどここが原点と思える*1。それにしても野球(とプロレス)には人生と奇跡が宿るな(独断と偏見です)。

三美スーパースターズ 最後のファンクラブ (韓国文学のオクリモノ)

三美スーパースターズ 最後のファンクラブ (韓国文学のオクリモノ)

*1:読んだ後で知ったが、「盗作」という指摘があり、著者もそれを認めているそうな。http://japanese.joins.com/article/342/205342.html 実在したチームの話だからこそ、気を付けるべきだった、これはいかんな。