The Yellow Monkey SUPER JAPAN TOUR2016「YOKOHAMA SPECIAL」に行ってきた。会場は横浜アリーナ。イエローモンキーにとってここは、回数こそ少ないものの「聖地」みたいなもので、スペシャルを銘打っている以上、ツアーとは違う事をするのだろうと思っていたが、まさか最盛期にして円熟期のあの頃のセットリストをミックスさせて、果敢に挑むものになるとは思わなかった。
正直言って、出だしは些かヘロヘロに聞こえて大丈夫なのかと心配になったが、調子はしり上がりによくなっていき、特に吉井和哉の声はよく出ていた。ソロの時はバックバンドをコントロールしながらなので、いつも少し余裕があるように見えていたのだが、個のぶつかり合いのバンドだと魂削るようなパフォーマンスになり、曲に入り込んだり、鬼気迫ったり瞬間が何度もあった。
下手したら懐メロ思い出話で盛り上がってしまいそうな展開だったが、見事に現在形として上書きをし、いまのグルーヴになっていた。そういう意味でも新曲の“ALRIGHT”は現在でありながら、セットリストにストンと落ち着く曲で、重要なものなのだとよくわかる。白眉は“天国旅行”と“空の青と本当の気持ち”。
お互いにイエローモンキーが好きという共通点から知り合った友人と行ったのだが、普段はじっくり演奏を聞いてはしゃがないタイプの彼が、途中から我慢できないようにはしゃぎ、シンガロングしていた。俺も負けずにはしゃいでいた。本当に楽しかった。懐メロじゃない、現在進行形のバンドの姿がそこにあった。
吉井和哉が赤いライトに照らされた瞬間は丸山明宏に、終盤髪を上げた時はデヴィッド・ボウイに見えた。死んだら新聞に載るロックスターだった。
