不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

明日は今日の続きじゃない

 たしか初めて読んだ吉野朔実の漫画は『瞳子』だったと思う。『いたいけな瞳』『Eccentrics』と共に姉の本棚に並んでいて、時に借りたり、時に部屋に忍び込んだりして、繰り返し読んだ(のちに文庫版が出て購入した)。割り切れない人間の感情や関係が描かれていて、時折仕込まれているヒヤッとする冷たさが好きだった。前述の二作含め『恋愛的瞬間』『ぼくだけが知っている』など90年代に書かれた作品群はとても影響を受けた。もちろん「吉野朔実劇場」も大好きだった。もういないなんて信じられない。『本の雑誌』にまたひょっこり出ているような気がする。そうだったらどんなにいいか。まだ60歳手前だろ、早い、あまりに早いよ……。

瞳子 (小学館文庫)

瞳子 (小学館文庫)