四元康祐『偽詩人の世にも奇妙な栄光』(講談社)。ずいぶん前に「書きたいものはないけど作家になりたい」と言う人に会った事があるが、彼に限らず創作を夢見たが「空っぽ」だった人達(俺もそこに入るかも)の物語。その後、その人は何かを書けたのだろうか。「もはやこの世にオリジナルは存在しない、全て引用である」という説も思い浮かんだ。序盤はいいが、中盤以降は少し平板かな。ここで描かれている「空っぽ」は、「空っぽ」である時代においては埋め方がまた違ってくるのではという気もする。うまく言えませんが。また、蓮實重彦が北野武について書いた文の中に「映画を愛すのではなく、映画に愛されなければならない」とあり、それは映画に限った話ではない反面、愛し方/愛され方というものもいろいろとあるのでは、とも。
- 作者: 四元康祐
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/03/27
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- 作者: 木原善彦
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2006/02/11
- メディア: 新書
- クリック: 34回
- この商品を含むブログ (89件) を見る