不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

最近読んだ小説

 アンディ・ウィアー『火星の人』(ハヤカワ文庫、小野田和子訳)。評判を聞いて読んでみたのだが、確かにこれはおもしろい。『ゼロ・グラビティ』+『アポロ13』と言えば身も蓋もないかもしれんが、さらに『127時間』のテイストも加わっているのだからすごい。絶望的状況でも知恵とユーモアで立ち向かう。ヘヴィでライト、ハードでソフト、シリアスでユニーク、600P弱と分厚いながら、軽やかに、ぐいぐいと読み進んだ。見える恐怖と見えない危険、意志疎通の有無と願いを、しゃべくりならぬ書きまくり芸で表現しているわけだが、これをどう映像化するんだろう。楽しみだ。監督はリドリー・スコットだというが、あまり合っていない気もするけど。

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)

 チャック・パラニュークファイト・クラブ』(ハヤカワ文庫、池田真紀子訳)。映画は見ていたが原作は未読だったので、新版になったのを機に読んでみた。よくもまぁこんな支離滅裂一歩手前のぶっ飛んだ小説を、あんなふうに映像化できたものだな。忠実ではあるけど、原作通りではない。映画も見直すかな。