パク・ミンギュ『カステラ』(クレイン、ヒョン・ジェフン/斎藤真理子訳)。事前情報を入れずに、勝手にほんわかした話かなと思って読み出したら、なんとまぁ明後日の方向に向かった変な話ばっかりでビックリした。内容も文体も独特で、行の空け方、一言の置き方などが小気味良く、いいアクセントになっていた。それでもちょっと途中で飽きたけど。モチーフはどれも突飛で、それを使って資本主義社会への皮肉が存分に描かれていた。全体的にポップではあるが、ポップな軽さがそのまま虚しさでもあり、それは現代韓国(いや現代社会か?)の空気なのかなと思った。なかなかよい短篇集でした。長編読んでみたいが、長編でこんな感じだとちとキツそう。
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