いつも通り「年末年始に分厚い本を読む」と掲げたが、あえなく頓挫した。今年は『「ボヴァリー夫人」論』と『21世紀の資本』が手元にあったので、どっちかはなどと考えていたのだが、結局前者の五分の一くらいで休みは終わった。ついでにこちらは図書館で借りていたのでもう返却する事に。意外と読む時間ないんだよなーと言いながら、結構な本を買ったし借りた。それが積まれたままになっているので、ドコドコ読んでいかんと。結局、年末年始に読めたのは下記三冊。
マイクル・コナリー『判決破棄』(講談社文庫、古沢嘉通訳、上下)。しつこくて恐縮だが、やはりこのシリーズはおもしろすぎる。そもそもこのシリーズは事件自体はすでに落ち着いている(裁判がメイン舞台なので。もちろんそれだけではないが)。だから上巻は周辺情報を集めたり、動く事態に対処するので地味といえば地味。だが、裁判が始まる下巻はスリリングなやり取りにページをめくる手が止まらない。フェアではあるけど、場外戦や急襲もあって、手加減遠慮なしの大人の喧嘩である。
前作に続き、本作にもハリー・ボッシュは登場しているが、前作はあくまでキーマンだったけど今回は準主役。一人称のハラーパートと三人称のボッシュパートを入れ替えながら物語は進む。それによって、ボッシュとハラーの違いが明確に見えてきて、二度おいしい。結構ビターな味わいがあって、よござんした。次に翻訳されるコナリー作品もこのシリーズらしいので、いまからそわそわして待つ。メインとも言えるハリー・ボッシュシリーズも読まねばなぁ。
- 作者: マイクル・コナリー,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/11/14
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- 作者: マイクル・コナリー,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/11/14
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/09/29
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (11件) を見る