トマス・H・クック『緋色の記憶』(文春文庫、鴻巣友季子訳)。凄惨な事件でも大いなる謎でもなく、一つの事件を丁寧に、一人の男の回想録として描いているのだが、うーん、センチメンタル。事件の全容をズバリ言わず周囲から語っていくのはいいけど、あまりにも肝を言わないよう言わないようにもったいつけているので、つい途中で「早く言えや!」とイライラしてしまった。だが、中盤以降、特に「証言」スタイルが出てきてからはグッとよくなった。上司の生涯ベストミステリの一冊として薦められて読んでみた(本も上司から借りた)。上司が好きなのがよくわかるが、俺はちと苦手な作風で、さて感想をなんて言おうか……。
- 作者: トマス・H.クック,Thomas H. Cook,鴻巣友季子
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